脱初心者第二弾! はじめてのメカニカルMOD!

最近VAPEをはじめた方であれば、大抵の場合、電子制御されているテクニカルMODのスターターキットからはじめられていると思いますが、一切電子制御がなされていない、メカニカルMODというものがあります。

私は、ショップの店員さんが利用していた、カッパー(銅)のチューブ型メカニカルMOD、SubZero(リキッドではなくてMODです!)を見て、なんてかっこいいんだ! と思いましたが、メカニカルMODといえば、爆発するかもしれない、知識なしに利用しては危ない、などなど、危険な話を目にしていたので、手を出すのに少し思いとどまるところがありました。

でも、実際には、うまく付き合っていくことさえできれば、単純な機構故に長持ちしますし、色々な制御などができない代わりに、逆に流行などもないため、安心してずっと利用していくことが可能です。私自身、現在常用している7本のMODの内、6本はメカニカルMODです! 何よりかっこよくて、どうしてもメカニカルMODにばかり手を出してしまいます(笑)

今回は、メカニカルMODを使うために必要な知識について、少しまとめてみようと思います。

subzero

そもそも、テクニカルMODとメカニカルMODとは、どのような違いがあるのでしょうか。その名の通り、メカニカルMODとは、「機械的」に通電するため、電子制御などが一切行われないMODです。あるのはスイッチのONとOFFのみ、ONにしたら煙が出て、OFFにしたら止まる、という、それだけの単純な機構です。

単純故に、回路をコンパクトにまとめられますので、テクニカルMODと比べると、スタイリッシュでコンパクトなMODがたくさんあります。また、難しい回路を必要としないことから、世界中の物好き(?)なデザイナーさんたちが、手作業で様々なMODを送り出してくれています。単純なのに、なんでテクニカルよりこんなに高いの!?と驚くような製品もたくさんありますが、大量生産品でなく、ひとつひとつ手作りで作られることから、高価なメカニカルMODが多く見られます。

maorimod

とは言え、安価なメカニカルMODもたくさんあります。もちろん、安かろう悪かろうで、まともに利用できないものも多々ありますが、Wotofoなど、名の知られている会社のメカニカルMODであれば、国内店舗で購入しても5000円程度で、十分に安心して利用できるクオリティです。通信販売だと、どうしてもその品質が担保できないところがありますので、個人的には、実際に店舗で使い方も含めて見せていただいた上で、購入されることをお奨めします。

vapehouse

まずは、メカニカルMODの日常の取り扱いで気をつけなければならないところからご紹介します。

テクニカルMODの場合は、ボタンを5回押してはじめて電源ONになり、ボタンを押している間だけ煙が出る、10秒間連続で押されていたら、自動的に通電を止める、10分間何も行われていなかった場合、電源をOFFにする、などの機構が用意されています。吸う度にボタンを5回押すなど、面倒なことのように思えますが、電源をONにしたままかばんに入れている間に、偶然ボタンが押されてしまっていたらどうでしょう。かばんの中が煙で充満してしまう程度ですめばよいですが、高温になって火が上がってしまったり、電池が爆発してしまったりという事故に繋がる恐れがあります。

メカニカルMODの場合は、ボタンを押している間は通電してしまうという機構上、このような事故が起こる可能性がテクニカルMODより高くなります。中には、「ロック」機構が用意されており、ロックを外した状態でないと通電しないものもありますが、ロックをかけ忘れてしまった場合、自動でかける機能はありませんので、事故が起こってしまうかもしれません。

テクニカルMODを普通に利用していると、一見不便なようにも思えてしまう、ボタンの5回連打ですが、こうした事故を防ぐには、とても大切な機能であると考えられます。逆に、メカニカルではこうした機能が用意されていませんので、私たちは気をつけて利用しなければなりません。

次に、メカニカルMODで利用する電池についてです。電池については、注意しなければならない項目がたくさんありますので、気をつけなければなりません。

電子タバコ用、VAPE用と銘打たれた電池は多々ありますが、実は、様々な種類の電池が混在しています。まずは、大きく分けて、保護回路の有無があります。MODで利用する場合は、保護回路は利用に適しませんので、保護回路のない電池を選ぶ必要があります。さらに、保護回路の無い電池の中でも、「ICR」と呼ばれる、コバルトを用いた電池は用いないように気をつけましょう。ICRの電池は、大きな電流を流した際に安全でないと言われています。そのために保護回路を持っているICRも出回っていますが、より安全な、マンガンやニッケルを用いた、「IMR」「INR」の表記のある電池をご利用ください。

また、電池にはその形による違いも存在します。「フラットトップ」と呼ばれる、プラス極側も平坦になっているものと、「ニップルトップ」と呼ばれる、プラス側が一般的な乾電池のように飛び出ているものがあります。テクニカルMODを利用する場合は、まずフラットトップを選んでおけば困ることはないですが、メカニカルMODを利用する場合、ニップルトップ前提で作られているものもありますので、ご注意ください。

ニップルトップとフラットトップ

利用する電池については最後に、許容電流について考えておく必要があります。電池はそれぞれ、流すことのできる電流の大きさが決まっています。例えば、「Efest IMR Purple 18650 2100mAh 30A」のような商品があった場合、「30A(アンペア)」というのが、この電池で流すことの電流値となります。

アンペア数

この値は「定格電流」と呼ばれ、通常時に利用可能な電流の大きさを表していますが、「ピーク電流」「パルス電流」「瞬間電流」「最大電流」などの呼び名で、通常時でない、瞬間的に取れる最大電流値を示しているケースもあります。VAPEでは、一瞬しか電流を流さないので、この値でもよいのではないか? と思われることもありますが、かばんの中で連続通電してしまうケースも考えられますので、必ず定格電流の値を利用するようにしてください。

さて、この値がいくつならよいのか、というところなのですが、利用するアトマイザーの抵抗値によって変わってきます。学生時代に学んだ「E(電圧)=I(電流)xR(抵抗)」というオームの法則の方程式より、「I(電流)=E(電圧)÷R(抵抗)」という式が求められます。このとき、電池の電圧は3.7V(もしくは3.6V)と書かれていると思いますが、満充電時には約4.2Vほどになりますので、最大値である4.2Vで計算しておきます。抵抗値は、自分でコイルを巻く場合は、自分で巻いた時の抵抗値を、コイルユニットを利用する場合には、購入したコイルユニットの抵抗値を代入してみます。1Ωであれば、I(電流)は4.2Aに、0.5Ωであれば、8.4Aに、0.2Ωであれば21Aになります。例えば、20Aまで電流を流せる電池を利用する場合は、0.2Ωの抵抗では、電流が流れすぎてしまうということが分かります。

定格電流値をオーバーしてしまうと、異常発熱が見られたり、場合によっては爆発したりといった事故に繋がります。実際、VAPEで爆発事故が起こっているケースもあります。こうした事故を起こさないよう、購入する電池には十分に注意をしておく必要があります。可能であれば、店頭で実際に購入するMODと、それを駆動できる電池、利用できる抵抗値などを、実際にお店の人と相談しながら購入されることをお奨めします。そもそも、ネットでは偽物の電池が販売されていることもありますので。。。

さて、電池を購入したら、それを充電するための充電器も購入しなければなりません。テクニカルMODであれば、本体で充電ができてしまったりもしますが、メカニカルMODではそうはいきません。テクニカルを持っている方であれば、テクニカルMODで充電だけしてしまうという手もありますが、充電速度や安全性なども踏まえ、専用の充電器を利用されることをお奨めします。このとき、充電が完了したら、自動的に電池への給電を止めてくれるような、頭の良い(?)充電器を選んでおきましょう。過充電で事故が起きることを防いでくれます。現在の電圧や容量などを表示してくれるものだと便利です。

充電器

最後になりますが、過充電の逆で、電池の使いすぎにも注意をしなければなりません。満充電時は4.2Vほどであった電圧が、定格である3.7Vとなり、利用を続けていると、さらに低くなっていきます。ここで、3Vを切る状態になったら充電しなければなりません。厳密には、もう少し余裕はあるものの、過放電を続けると、電池が傷んでしまいます。テクニカルMODの場合は、3.2Vや3Vちょうどになったところで、電源がOFFになるよう制御されていますが、メカニカルMODを利用している場合には、電池が少なくなったら自分で判断して充電しなければなりません。

メカニカルMODでは、電池の出力がそのままアトマイザーに渡されますので、電圧が下がってくると、煙の量や味が少なくなってきますので、充電しなければならなくなってきたことが、なんとなく感じられるかと思います。おや? と思ったら、電圧を測ってみて、充電してあげるようにしてください。

メカニカルMODを利用するにあたって、注意しなければならない点について、いくつか紹介してみました。気をつけなければならないことがたくさんあるように思えるかもしれませんが、最初少しだけ勉強すれば、あっという間に慣れます! 本当に、すてきなデザインのメカニカルMODは、気をつけなければならない点以上にたくさんありますので、ぜひみなさんもメカニカルMODに触れてみてください!